狭山事件の再審を実現しよう市民のつどいin関西’23キャラバンスタート集会
2023.10.09
横田弁護士のお話で私が印象的だったのは「新証拠で最大のものは録音テープだと思っている」と言われたことです。11人の証人尋問を求めているところだから、そのうちのどれが最有力なのかと聞いていたのですが、録音テープだと。木谷明さんの指摘に付け加えると、「録音テープが出てきたのが遅かった」というのも、これまでの裁判で無罪を勝ち取れなかった要因になるのではないかということも言われていました。
録音テープによって、一雄さんの「自白」が誘導によって殺害方法が変えられているのが明らかになっています。図面に文字を入れるのに警察が一雄さんに「ん」「っ」を教えていく過程があります。一雄さんが脅迫状など書けるはずがない。鞄と教科書が別べつに捨てられていることを一雄さんは知らなかった。「万年筆と時計は同じ場所に隠した。風呂場だ」鴨居だとは言っていない。そういうことが録音テープが出たことでより明確になりました。
たしかに録音テープだけでも無実の証拠だと確信できます。横田さんは「裁判所の枠の中でもシロに持っていくのが、われわれ弁護士の仕事」だと話されました。
夜間中学のアピールは、天王寺夜間中学の同窓生のかたのお話をほとんど全部のせさせてもらいます。
小さいころ、このあたりに住んでいました。とてもなつかしいです。
私は、戦後生まれですが、小学校1年くらいのときに、母の家出をきっかけに、幸せだった家族がバラバラになりました。まだ7,8歳だった私は、ほかの家にひきとられ、朝から晩まで働くという毎日でした。
「学校に行きたい、みんあと遊びたい」と思っても、子ども心に、それは無理だということはわかりました。
おとなになっても、学校へ行っていない私は、みじめで、いつも心に大きな穴があいたような気持ちでした。働いて働いて、働くことだけでいっぱいだったときは、考える余裕がなかったのですが、ふと落ち着くと、何もできない自分がみじめで、たまりませんでした。
ある日、駅の近くのお好み焼き屋さんにチラシが貼ってあるのを見て、夜間中学のことを知りました。ずっと学校に行きたかった私は、迷うことなく入学しました。46歳のときでした。
人のかげにかくれて、字が読めないことや学校に行ってないことをかくして、生きてきた私でしたが、「字が読める、書けることで、こんなに自信をもって生きていけるのか! と思い知りました。人生を大きく豊かな心にしてくれました。
本音を話せる友だちにも出会い、何もかくさず、いろいろな話ができました。学校が楽しくて楽しくて、一生けんめい勉強しました。
生徒会の役員もさせていただき、いろいろなところにも行きました。そして、世の中のことも、いろいろ勉強しました。
8年間、仕事や子育てをしながらかよいました。パートが終わってから、夕飯を準備し、下の子に食べさせます。自分は食べる時間もありませんでした。急いで電車に乗り、走りましたが、よく遅刻もしました。先生や友だちは、遅刻したときでも、パンと牛乳を机の上においてくださいました。そのパンと牛乳が疲れた体に、どんなにうれしかったことか。その小さなパンと牛乳も、あるときから、なくなってしまいました。
どんなに疲れたときでも、感謝の気持ちをこめて、授業の終わりには黒板をきれいにしました。学べることが本当にうれしかったんです。
卒業してから夜間高校にも行きました。今も、あべの読み書き教室で勉強しています。
自分を変えてくれた夜間中学に恩返しをしたいと、卒業してからも、ずっと同窓会の役員をしています。
こんなにありがたい夜間中学が、今、二つもつぶされそうなのです。教育委員会は、校舎が古くなったとか、生徒数がへったとか、いろいろな理由をいいます。
でもまだ、私のように学校を必要としている人がたくさんいると思います。校舎が古くなったのなら、たてかえてください。生徒が減ったのなら、まだ夜間中学のことを知らない人に、もっと夜間中学のことを知らせてくださいと、お願いしています。しかし、教育委員会は「検討します」というだけです。
私たち同窓会役員は、この1年、いろいろな活動をしてきました。4月の生徒募集に向けて、1万枚以上の生徒募集ビラを、西成区、大正区、住吉区、平野区、東住吉区を始め、いろいろな住宅にくばりました。今年の入学生に、そのビラをみて申しこんだという生徒さんがいたそうです。うれしかったです。
いろいろな集会に行って、署名も集めました。以前、ここで署名に協力していただいたことがあります。ありがとうございました。
一番たいへんだったのは、市議会に出す「陳情書」作りでした。そんなものがあることさえ知りませんでしたが、役員みんなで一生けんめい、それぞれの立場で書いてみました。そして、4通の陳情書を出しました。
これからも、今までと同じく、あらゆるできることをして、文の里夜間中学と天王寺夜間中学が廃校にならないようにがんばっていきます。最後まであきらめません。
みなさん、どうぞ、これからもご協力、よそりくお願いします。本当にありがとうございます。
狭山事件の再審を実現しよう市民のつどいin関西’23キャラバンスタート集会
西成釜ヶ崎「ふるさとの家」にて
横田弁護士をzoomでお招きして講演していただきました。会場溢れるばかりの参加者で熱気ある集会になりました。