市民のつどいの歩み
第1回・市民のつどい「無実の人がなぜ自白するのか」
■講演 「無実の人がなぜ自白するのか」
浜田寿美男 (奈良女子大学名誉教授)
■えん罪アピール
石川一雄 (狭山事件えん罪被害者)
石川早智子 (えん罪被害者家族)
■報告 「ひとりからはじめる狭山支援」
ノジマミカ (facebook狭山事件の再審を実現しよ
う管理人)
2015年4月25日
尼崎市立小田公民館
第2回・市民のつどい 「それでもボクらはやっていない」獄友 えん罪に抗うトークセッション
■えん罪に抗う獄友トークセッション
金聖雄 (映画監督)
石川一雄 (狭山事件えん罪被害者)
石川早智子 (えん罪被害者家族)
菅家利和 (足利事件再審無罪)
桜井昌司 (布川事件再審無罪)
■講演 「えん罪救済の今 イノセンスプロジェクトの可能性」
笹倉香奈(甲南大学教授)
■講演「えん罪・狭山事件はこうしてつくられた」
安田聡 -部落解放同盟狭山中央闘争本部
2018年 1月28日
大阪市立港区民センター
第3回・市民のつどい 「闇から希望をつなげて」
■記念講演 「真実こそ人を解放する」
本田哲郎(釜ヶ崎ふるさとの家神父)
■えん罪連帯アピール
石川一雄 (狭山事件えん罪被害者)
石川早智子 (えん罪被害者家族)
袴田ひで子 (清水事件えん罪被害者家族)
寺澤暢宏 (清水事件再審支援者)
■ライブ(全歌詞)
小室等
カオリンズ
アカリトバリ
2019年 2月17日
大阪市立阿倍野区民センター
第4回・市民のつどい 「つながりをちからに」
■えん罪連帯アピール
石川一雄 (狭山事件えん罪被害者)
石川早智子 (えん罪被害者家族)
袴田巌(清水事件(袴田事件)えん罪被害者)
袴田ひで子(えん罪被害者家族)
鴨志田祐美(大崎事件再審弁護団)
■ハンセン病差別撤廃アピール
太田明夫(ハンセン病問題を共に学び共に闘う全国市民の会)
黄光男(ハンセン病家族訴訟団原告副団長)
■サイエンスショー
山田善春(大阪市立大学)
■ライブ
カオリンズ
アカリトバリ
■Tシャツ・短歌コンテスト授賞式
金聖雄(審査員/映画監督)
北口学(審査員/大阪芸術大学)
金城実(審査員/彫刻家)
2020年 2月17日
エル・シアター
第5回・市民のつどい「この願い きっと届く」
■えん罪アピール
石川一雄 (狭山事件えん罪被害者)
石川早智子 (えん罪被害者家族)
袴田巌(清水事件えん罪被害者)
袴田ひで子(えん罪被害者家族)
青木惠子(東住吉事件再審無罪)
■狭山弁護団報告
河村健夫
■ライブ
カオリンズ
アカリトバリ
スィング・マサ
2021年1月31日
大阪市立北区民センター
第6回・市民のつどい「とどけ! 真実の響き」
■えん罪アピール
石川一雄 (狭山事件えん罪被害者)
石川早智子 (えん罪被害者家族)
袴田ひで子(えん罪被害者家族)
青木惠子(東住吉事件再審無罪)
西山美香(湖東記念病院事件再審無罪)
■記念講演「違法捜査と冤罪」
木谷明(元東京高裁裁判長)
■連帯アピール「文字を知らなかった石川さんと私」
山本栄子(『歩』『今、部落差別を語る』著者
■連帯アピール
大椿ゆうこ(社民党副党首)
尾辻かな子(前衆議院議員)
大石あきこ(衆議院議員)
■太鼓演奏
熱光(ひかり)・和太鼓いぶき・太鼓集団 鼓情炎(こじょうえん)
2022年 2月20日
大阪市立阿倍野区民センター
第7回・市民のつどい
第7回市民のつどいに参加してくださった多くの仲間の皆さん、賛同して支えてくださった皆さん、ありがとうございました。集会に参加したひとりとして「人っていいな」「人生捨てたもんじゃないな」と感じました。エンパワメントというのが何かよく知りませんが、こんなにたくさんの良き仲間がいると思うだけで力が湧いてきます。こんな素敵なつどいができたのも、毎度至らない僕ら実行委員会の準備を補ってあまりある登壇者の皆さん、参加者一人ひとりの皆さんの狭山再審を願う熱のおかげです。
狭山再審の最後の山場への坂道で、この日僕らがこんなにも明るく集会を持てたのも、袴田さんの再審開始決定と、狭山の緊急新署名が50万筆に迫る拡大を見せているおかげだと思います。開会挨拶で部落解放同盟の袈裟丸朝子さんか署名数に触れると大きな拍手が湧きました。
石川一雄さんと早智子さんも、袴田さんの勝利を我が事のように喜び、署名に力をもらってるとのメッセージを寄せてくださいました。この際、100万筆を目指してもいいんじゃないかと思います。まだ狭山を知らない人に、石川さんの無実の叫びを届けたい。
参加者の皆さんの報告を読ませていただいていると「次は狭山だとの合言葉の下に集会が開かれた」と書かれています。鈍い僕らはそんなスローガンは掲げてはいませんでしたが、露の新治さんが公演の中で掲げてくれました。それがみんなの気持ちであり、集会のスローガンになったのだと思います。
新治師匠は凄い人です。本当のことを言って会場をドカンドカンと沸かせます。舞台袖で、手話通訳者が、お腹を抑えて「笑ってしもて通訳でけへん」と困っていました。パレードの後で「差別裁判打ち砕こうの歌を久しぶりに歌って涙がこぼれた」というほどに狭山再審を求めている仲間です。
けど、この日の集会では、新治師匠に並ぶぐらい会場を湧かせた人がもう一人いました。湖東記念病院事件えん罪被害者の西山美香さんです。天才です。青木恵子さんがホロリとさせ、西山さんが笑わせるという無敵のコンビです。金聖雄監督の名司会と相まって、素晴らしい獄友トークセッションになりました(褒められ過ぎた監督は「司会業に転職しよっかなあ」と言ってはりました)。
僕は舞台裏でブラブラしていたので集会をまともに聞いていないのですが、とても印象に残ったことが2つあります。
指宿弁護士いわく「袴田さんに対して検察が抗告を断念したことは通常ありえないこと。とても大きな力が働いた。それは市民の声だ」。そして「狭山でも49万筆を超える署名が集まっているのは大きな力。しかし、もう一歩メディアを動かすには、ここにいる人たちが周りに呼びかけ、新しい人が新しいアクションを起こすことが必要だ」と言っていました。僕らのこれからの課題はこれです。
抗告について、3月18日に撮影された袴田ひで子さんのビデオメッセージでは「検察は抗告するでしよう。検察だからね。けど、私はこの際5年や6年のことでとやかくは申しません」とおっしゃっていました。この揺るぎない自信が、結局は検察の保身をへし折ったとも言えます。
もう一つ、ノジマミカさんが「袴田さんの勝利を再審法改正につなげなければ」と強く訴えた(と後で僕は聞きました)こと。僕も本当にそう思うんです。2006年の刑事訴訟法の改正が2009年の狭山の証拠開示につながり、狭山の証拠開示勧告実現が袴田さんの証拠開示につながっていったように、裁判官の判断は法改正や個別事件の動向と無関係ではありえない。国会議員として登壇した大石あきこさんや森山浩行さんが再審法改正に意欲を示しておられましたが、狭山の勝利のためにも、ぜひ、袴田再審決定を再審法改正につなげるために先頭にたって闘ってほしい。僕らも共に頑張らなければと思います。
去年はリモートで残念でしたが、今年は太鼓を生で聞けました。参加者の一人が「最初の大きなドーンが来たときに心臓が止まるかと思った」というほど凄いんです。リハーサルの太鼓に釣られて参加した近所のおばちゃんがいたほど凄いんです。彼ら彼女らが踊りながら太鼓を打ち鳴らす姿は狭山の未来を示してくれているかのように僕には思えました。
実行委員会として、手前味噌ですが、司会のKさん、閉会挨拶の山中秀俊さん、ハイブリッド配信、受付、ブース、会場、進行の仲間たち、街宣車とコール、パレードコールや差別裁判打ち砕こうの歌、素晴らしかったと思います。お疲れ様でした。とはいえ、僕らのことですから、至らないことが多々あると思います。ご意見があれば、是非、コメントでお寄せください。糧とします。
以下は蛇足です。
僕は青木恵子さんと同い年です。だから、彼女のことはいっそう他人事と思えないところがあります。彼女は「私は娘を失ってずっと死にたいと思ってきた。でも、冤罪が憎いから、冤罪のない社会の実現のために生きている。私が生きているのは冤罪に巻き込まれたおかげだ」というのです。そしていつも「石川さんは私のこれまでの人生がすっぽり入るほど長い間冤罪を背負わされてきた。それがどれほどの苦しみか私にはわかる」と。
それを聞いた新治師匠は「国も大変な人を敵にまわしたな」と。そして「これまでがあるから今があるんじゃない。今があるからこれからがあるんだ」と。
石川さんにしても、早智子さんにしても、巌さんにしても、ひで子さんにしても、西山さんにしても、青木さんにしても、桜井さんにしても、国はどえらい人を敵にまわしたな。
本当にそう思います。
事実調べ実現へ。署名の拡大と新しい狭山の担い手を求めて、共に頑張りましょう。
‐ 千里の道も一歩から ‐ かつて我々は小さなスタートを切りました。そして同じ夢を目指す同士が集まり、今日これだけの規模に成長することができたのです。